2008年4月13日日曜日

人に優しいユニバーサルデザイン




春咲展で多くの皆さんに連れて帰っていただいたうつわ、
楽しんでお使いいただいていることと思います。

会期中もおろしたての汲み出しでお飲み物をお出しして
ほっこりと両手の中に納まる感じや口あたりの良さも
実感していただきました。
でもたった五日間の会期でしたので、会場にお越し
いただけなかった皆様にもうつわのご紹介をいたしましょう。

このうつわの為に特別ブレンドされた信楽の土を使い
白い化粧土もかけて焼き上げられた地色は温かみのある
ぽってりとした乳白色、おしゃれに言えばクリーミーホワイト。

絵付けはただ筆で描いてあるのではなく、化粧掛けが
生乾きのときにまず模様の輪郭を鉄筆で彫りこんで
素焼きし焼きその上から色絵の具で色差しし更にうわぐすりを
かけて本焼きし仕上げてあります。

出来上がったうつわは磁器のクールな白や青白磁とも
陶器のざっくりした粉引きの仕上がりとも違う優しい地色に
絵付けの淡いトーンがふわりととけこんでいます。
ロクロの筋は一つ一つてびきであることの証です。

絵付けが施してあるのに、盛るものも引き立て絵柄も
楽しめるという作り手の心遣いに感服です。
和洋アジアン、どんな料理やスイーツともマッチしそうな
不思議なうつわだと直感しています。

さらに嬉しい事に、毎日使ううつわとしての機能性も
兼ね備えているのです。
陶器というと磁器よりもろく、煮汁や茶渋がしみ込んで
汚れも目立つので扱いに気を遣うというイメージが
あるのではないでしょうか?

ところがこのうつわは磁器よりも高い温度(1300°)で
10時間本焼きしてあるので、磁器より丈夫で無貫入(ヒビなし)
のためしみ込みもなくにおいもつきません。
しかも電子レンジ・オーブン加熱、食洗機の使用もすべてOK
なのです!  驚きです!!
こんな陶器があったんだ~と目からウロコが落ちました。

「お母さんのお手伝いをし始めたお子さんががちゃがちゃ
食器を洗っても耐えうる強さです。」と3人の息子さんの
子育て経験者である作家さんはおっしゃっていました。

色々なアイテムがある中で、『やさし鉢』はS・M・L・Pと
サイズがあります。
これは中身がすくいやすくこぼれにくい工夫がされていて
自分でスプーンを持って食べ始めたちいさい子供さんにも
リハビリ中で手が不自由なお年寄りの方にも、もちろん
これを手にしたどなたにも優しいうつわなのです。

宮崎のとあるケアハウスでは湯呑・お茶碗・やさし鉢の
すべてを揃えて使っておられるそうです。
食事の時間に和みと安らぎをもたらしていることでしょう。

みんなに嬉しいユニバーサルデザインのうつわです。

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