2008年9月14日日曜日

伝統的工芸品のゆくえ











『第1回 京の絞り職人展』が昨日終了しました。

特別展示作品の名画の美しさを堪能しつつ、日傘、バッグ、
ストールからポーチ等、生活の中で使って楽しめるものにも
同じ絞りの技がふんだんに施されているという事実に改めて
感動しました。

生業の本筋である着物も、総絞りの振袖から訪問着、無地感覚
の(総絞りですが)お洒落着や帯まで、職人技を駆使した品々が
陳列され圧巻でした。

何よりも、会場で職人さんから直接それぞれの絞り技法や染め方
の説明を伺うことができた事が皆様にとって幸運な事だったのでは
ないでしょうか。

着物と言うと呉服屋さんやデパートでお求めになる方が殆どだと
思いますが、この度の催しは職人集団そのものが主催されていて、
まさに創り手の顔が見える展示会でした。

今回来広された吉岡さんが、どの作品や着物や小物に至るまで
丁寧に説明し誕生秘話なども教えてくださり、更に『絞り』という
日本の伝統的工芸品を取り巻く現状についてもお話されました。

絞りはそれぞれ分業なので、職人の高齢化と後継者不足で、
1人の職人さんがリタイアされると、1つの絞りの技法がそこで
途絶えてしまうそうです。

明るい話題としては、この伝統的世界に地元の美大出身の
若い女性が数人加わり、新しい風を吹かせて始めているそうです。

永く培われた技とフレッシュな感性の出会い。
京都絞り職人衆、今後の展開が楽しみです。




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うつわと染 あとりえ*しおん
www.atelier-shion.com
TEL・FAX 082-228-0256

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