2008年7月2日水曜日

形見


先日あとりえしおん幟町店に来られたMIDORIさんが、「私は気に
入った木綿の風呂敷を壁に飾るんです。レーヨンではだらーんと
たれるし額に入れてしまうとガラスに覆われ風合いが楽しめないし、
しゃきっとした木綿で気に入った柄の風呂敷のそのままを飾るのが
好きなの。」とおっしゃいました。

私も2年程前に、『モダンな型染めの風呂敷』を夫に依頼し何枚か
染めてもらいそのうちの1枚を大切に使っています。

風呂敷、テーブルのトップクロス、小ぶりな丸テーブルのセンター等々
色々に使えて便利なのです。

更に続けてMIDORIさん「そんな風呂敷のなかに頂き物でとっても
気に入った1枚があって、型染めされた絵柄に物語性があるのよ。」

夫もすなる型染めですから興味深々の私「まぁ~どんな柄なんですか?」

「一寸法師のお話が全面型染めで表現されているの。珍しいでしょ。」
とMIDORIさん。

そこではたと思い当たる私「えっ!それはもしかしたら赤池さんの作品
ですか。」

「そう、そう、赤池さん。銘も入っていたわ。赤池さんをご存知なの?
もう亡くなられて久しいでしょう…。」

そうなのです。数え年33歳の厄祓いに実家から贈られたのが赤池さんの
型染めの帯でした。(春生まれにちなみ蝶々の柄)
実家の母からこの個性的な型染めの作者を知ったのですが、そのきっかけ
となった着物屋さんとKIDORIさんの風呂敷のルーツは同じでした!

詳しい経緯ははしょりますが、実は夫も赤池さんと共にその着物屋さんの
お庭で紅花染めをした思い出があります。

その後、まだまだこれからというときに仕事場で倒れられ急逝された
との赤池さんの訃報を知らされました。あれから10年程経ったでしょうか。

思いがけずMIDORIさんと赤池さん、着物屋さんが繋がりました。
2人で「風呂敷も帯も形見と思って大切にしたいですね。」と故人を偲びました。

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